2018年9月23日日曜日

風疹について


 皆さま、夏も終わりこれからどんどん寒くなっていきますが体調は如何でしょうか?

 今回は現在ニュースにとりあげられている「風しん」についてお話したいと思います。今年はすでに184人が風しんに罹患しています(2018年8月28日時点で)。

 症状としては顔から身体中に拡がる発疹、発熱、耳や首のリンパ節が腫れるなどがあります。症状は比較的軽く予後は良好だと言われています。

 一方で脳炎や血小板減少性紫斑病などの重たい合併症があること、成人は熱の期間が長いこと、関節炎を起こすことなど注意が必要な病気でもあります。

 そして、この病気で最も重要なのは先天性風しん症候群です。先天性風しん症候群とは妊娠中に風しん感染した時に胎児に起こる病気です。症状は眼疾患(白内障、緑内障、網膜症)、心疾患(心室中隔欠損症等)、難聴、精神発達遅滞等があります。

 これらは妊娠1か月以内に感染したら50%、2か月以内なら35%、3か月以内なら18%に起こります。しかしワクチンを1回打つと95%、2回打つと99%が予防出来ると言われており、妊娠を考えている女性で風疹の抗体がない方はワクチンを打つことを強く勧めます。また、男性も抗体がなければ打つこと勧めます。理由は重症化しやすいこと、妊娠中の女性にうつす可能性があることです。ちなみに30代後半~50代の5人に1人、20~30代前半では10人に1人の男性は抗体がないと言われ問題となっています。

 注意: 妊娠希望の女性はワクチン接種1か月前から避妊をして、ワクチン接種後も2か月は避妊して下さい。ただし今まで妊娠に気がつかずワクチンを打ってしまった方で、胎児が先天性風しん症候群になったことはありません。ご心配があれば診療所にご相談下さい。                            

文責  安達 記広

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