2012年11月23日金曜日

子どもは親を観察している  〜どんぐり通信「医業も父親業も日々鍛錬」より〜


村のどんぐり保育園の発行する「どんぐり通信」への連載記事のご紹介です。

最近、2年生の長男が早起きです。
4時半頃に一緒におきてシャワーを一緒に浴びるのですが、このわずか15分ほどが長男との貴重な対話の時間になっています。
ある日のこと。
家族それぞれの「いいところ」を言ってみる。そんな時がありました。
当然、私も長男に向かって長男の「いいところ」を言うことになります。

長男 「お父さんはあっき(長男のあだ名です)のいいところはどこだと思う?」
私  「そうだな・・・お父さんはあっきの笑っている顔が一番好きだよ。あと、誰とでも楽しく遊べるところかなあ・・・」

普段は面と向かってこんなことを言うことなんてないものですから、照れくさいものです。
それでも長男はなんだか満足げであります。

長男 「お父さんのいいところはねえ・・・心づくしっていうか・・・」
私  「心づくしって何?
長男 「お父さんはあっきこと、分かってくれるっていうか。お父さんがあっきのことを怒っても、分かってくれてるって思うんだ。」

うれしかったり、ほっとしたりしたのと同時に、どきっとしました。
子どもは親をしっかりみている。
ものすごく深く観察しているのだ、と。
感じたことを表現する言葉を持っていなかったり、親という絶対的な存在の前で言えずにいるだけなのです。 早朝の浴室。二人だけの秘密っぽい、リラックスしたこの瞬間だからこそ、長男は心の奥にあるものを言葉として表現できたのかも知れません。

その後は何の余韻もなく、何事もなかったかのように普段通りの毎日が過ぎています。
長男はあの朝、父親とこんなやりとりをしたことなどもう忘れてしまったかもしれません。
父はこの朝のできごとを死ぬまで忘れたくないので、この場をお借りして書き留めておきます・・・

ヤマダ

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