昨年から今年にかけて国内で風疹が大流行したことを覚えていらっしゃいますか?
幸い,更別までその流行が波及することはなく今日に至りますが,流行がいつやってくるかは予想することができません.
どんぐり通信をお読みになるご夫婦にぜひ風疹ワクチン(できれば麻疹-風疹混合ワクチン)をお受け頂きたい!ので,ご紹介します.
おそろしい先天性風疹症候群
今年なぜこんなに風疹の流行がニュースになったのでしょうか? それは先天性風疹症候群が尋常ではない数で発症したからです.2013年1月1日から10月31日までの報告数で18例.通常の年は1~2例.妊婦とくに、妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障がいをもった赤ちゃんがうまれる可能性が高くなります.これらの障がいを先天性風疹症候群といいます.
特に妊娠初めの12週までにその可能性が高いことが認められており、調査によって25−90%と幅があります.予防接種をうけることによって、成人女性なら妊娠中に風疹にかかることを予防し、または妊婦以外の方が妊婦などに風疹をうつすことを予防できます.
しかし!妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできません.
男性が予防接種をうけず自然感染したときには、妊娠中の配偶者(妻)あるいはパートナーなどにうつすことで、生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断される可能性が生じます。将来自分達のこどもを先天性風疹症候群から守るためにも、男性も可能な限り早く風疹の予防接種をうけてほしいと思います.
予防接種について
今回予防接種をお勧めしたいのは2008年度~2012年度までの5年間に中学1年生、高校3年生相当年齢に2回目の麻疹風疹混合ワクチンを接種していない20~40代の成人の男女全員です. 「小さいときにかかった」という方も血液検査で本当にかかったことが確認されていないのならば予防接種をお受け頂く方がよいでしょう.
また,どんぐり通信をお読みになるご夫婦の多くは風疹と同様重大な疾患である「麻疹」に対する免疫も不十分であることが多いため,「麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)」をお受け頂くことをお勧めします.
風疹ワクチン,麻疹風疹混合ワクチンの予防接種は更別村診療所でお受け頂くことができます.毎週木曜日の午後に実施しており,事前に申し込みが必要です.料金については診療所のHP「診療のご案内」ページをご覧下さい.
また,私たち家庭医が所属する日本プライマリ・ケア連合学会では
「風疹封じ込めを!」のページを設け,一般のみなさん向けのパンフレットを更改しています.ぜひご覧下さい.
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