2024年11月12日火曜日

かわら版11月号より

 マイコプラズマ肺炎にご用心

最近ニュースで話題に上がることが多いマイコプラズマ肺炎、村民の皆様も一度は聞いたことがあるかと思います。Mycoplasma pneumoniae以下マイコプラズマ)という細菌によって引き起こされ、疫学的には525歳の健常人に好発します。5歳以下の乳幼児には稀とされてきましたが近年増加傾向です。マイコプラズマは潜伏期間が平均2-3週間あり夏に感染率が上昇し、晩秋から冬にピークを迎える傾向にあります。マイコプラズマは上気道感染症(風邪)、急性気管支炎、肺炎を起こしますが何の症状もない無症候性感染も多いです。風邪や急性上気道炎は他のウイルスによって引き起こされるものと同じような経過をたどり特別な治療は必要ありませんが肺炎に関しては細菌をやっつける抗菌薬治療が必要です。しかしマイコプラズマの検査には時間がかかるうえ、正確性にも欠くため、実際は症状や診察、血液検査、胸部レントゲンの結果から判断することが多く医師も非常に悩まされます。そのためマイコプラズマが心配、いつ診療所に行ったらよいかと心配になる患者様も多いと思います。マイコプラズマに限った症状だけではありませんが、下記のような肺炎症状がある場合は診療所受診を考えてみてください。

激しい発熱

頑固な乾いた

呼吸が苦しい

食事摂取がままならない

活気が乏しい

風邪のような症状だがとにかく具合が悪い・悪そう

2024年9月27日金曜日

インフルエンザ予防接種、コロナワクチン接種の予診票について

かわら版9月号にお知らせした通り、10月よりインフルエンザ予防接種、コロナワクチン接種が始まります。

お申し込みは10月1日より【診療所へのお電話】でお受けしております。事前に希望される日をお考えの上お電話ください。
※実施期間等についてはかわら版9月号または当ホームページの9/12記載「かわら版9月号より~インフルエンザ予防接種とコロナワクチン接種について~」をご参照ください。

なお、予診票を印刷できるようにしておきました。お年に応じて様式が異なりますので、接種予定の日のご年齢に合わせて印刷してご利用ください。




印刷することが難しい場合は診療所でも記入することが出来ます。ご不明点がございましたらお申し込み時または外来受診時にご相談ください。

2024年9月12日木曜日

かわら版9月号より~インフルエンザ予防接種とコロナワクチン接種について~

 

インフルエンザ予防接種が始まります

■実施期間  1016日(水)~ 1220日(金)

毎週 水・金曜日 〈場所:福祉の里総合センター 集会室〉  

13301345 13451400 ③14001415 ④14151430 15301545 15451600 ⑦16001615 16151630

※水・金曜日で、どうしても都合がつかない方には…

火曜日午後の通常診療の中で接種できます(各日4名まで。極力偶数名でお申込みください。)

接種料 ・村民の方…1,000円/回   ・村外の方…3,000円/回

回数 ・13歳以上の方…1回接種   ・13歳未満の方…2回接種(推奨:34週間隔)



新型コロナワクチン接種が始まります

■実施期間  1021日(月)~ 331日(月)

毎週 月曜日 〈場所:国保診療所 診察室〉※小児・乳幼児の接種日は木曜日リハビリ室

14451500 15001515 ③15151530 ④15301545 15451600 16001615 ⑦16151630 16301645

■対象者

◎定期接種(自己負担額3,000円程度)

65歳以上の方

60歳以上65歳未満

※心臓、腎臓または呼吸器の機能に障害があり、身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能の方

◎任意接種(自己負担額16,000円程度)

・定期接種対象外の方

◎インフル・コロナ予約 10月1日(火)より受付開始 電話52-2301

2024年7月19日金曜日

かわら版7月号より

 熱中症に気を付けて!

暑い陽気が続きますね。ついこの間まで梅雨明けや初夏の候を聞いていたと思ったら連日の暑い盛り。盆地出身の私でも暑いと感じる日々です。

 こんな季節は『熱中症』に注意です!屋外での農作業やパークゴルフ中はもちろんのこと、室内もお気を付けください。高齢者の熱中症のかなりの割合は室内で起こっています。室内でも室温チェックやエアコンの使用、水分補給をこまめに行いましょう。遮光カーテンやすだれ、打ち水の利用も効果的です。

外出時は特に注意!また、暑い日にはなるべく外出を控えることも重要です(吹雪の日に外出しないのと同じです)。どうしても出ないといけない場合は、涼しい時間帯を利用して外出することも大事ですね。水分補給は「喉が渇いていなくても水を飲んで」ください。人間の「喉が渇いたセンサー」はアテにならないこともあり、のどが渇いたと感じるころにはもう遅い!なんてこともあります。パークゴルフなど大勢でいるときはみんなでいっしょに水分補給をしましょう。万が一体調が悪くなってしまったら、けして無理はなさらず早めに診療所までご相談くださいね。(近藤)



厚生労働省「熱中症の予防についてのリーフレット2024」より引用)

2024年6月17日月曜日

かわら版6月号より

●マダニに御用心!!
山菜採りの時期になるとマダニに嚙まれて診療所へ受診される方が多くなります。 かわら版6月号ではマダニに関する情報をお伝えしました。

・マダニとは?
マダニは家の中にいる小さなダニとは異なり、3~4㎜ほどのサイズが大きいダニです。体に付着し、動物の血を吸うことでさらにサイズが大きくなります。
活動期は春~秋にかけて、まさに今の時期です。

・どんなところにいるの?
シカやイノシシなどの野生動物が出没する場所や民家の裏山や裏庭、畑、あぜ道などの身近な場所にも生息しています。

・マダニに嚙まれるのを防ぐために
①肌の露出を少なくしましょう。
②サンダルではなく靴を履きましょう。
③服は明るいものを選びましょう。
(マダニを確認しやすくなります。)

・マダニに噛まれたら?
すぐに医療機関を受診しましょう。
※無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残ってしまう可能性があります。
数日は体調の変化に注意し、発熱などの症状がある場合は医療機関を受診しましょう。
→マダニがウィルスや細菌を保有している場合は咬まれた人が感染症を発症することがあります。























●中札内村で講演しました
5/16(木)午前に行われましたJA中札内村「年金友の会」の総会後に、「健康増進、予防、医療、介護」をテーマに、コーディネーター(以下Co)とリハビリ職で講演をさせていただきました。当日、100名を超える出席者を前にして、「中札内村における入退院支援と在宅医療」(岡Co)、「健康寿命を延ばすためにできること~リハビリの視点から~」(寺山理学療法士(PT))と題して、1時間ほどの講演でした。出席者の方からは「とても楽しく充実した講演会でした」とお言葉をいただきました!
診療所では、依頼内容や専門職種に応じて、様々な講話・講演をお受けしております。普段は診療所や診察場面でお話を伺うことが多いですが、地域の中で診療所スタッフのお話を聞いてみませんか?ご依頼、ご要望等お待ちしております!!

2024年4月21日日曜日

新年度のご挨拶 〜 診療所かわら版2024年4月号より 〜

例年になく少なかった雪が解け、畑の土が顔を出していますね。たった1分の通勤時間でも日差しに、はっきりと春を感じます。診療所は3人の新任の医師を迎え新たなスタートを切りました。この数年不在だった副所長クラスに堂坂医師が着任。「いつか一緒に仕事ができたらうれしいな」と思っていた頼もしい大学の後輩で、本当にうれしく思っています。
さて、診療所の医療は2024年度、大きな変化が2つ予定されています。
 
【増改築工事の完了とデジタル化の推進】
 増改築の工事が終わり、4月には利用が始まります。長年課題となっていた発熱外来の患者さんの動線の完全な分離、感染・災害対策のために必要な備蓄品の保管場所の確保、この20年で大きく変化した医療環境に対応するための診察室や会議室の増設など。住民の皆様には見えにくい部分もありますが重要な内容がつまったものです。そして、村のスーパービレッジプレジェクトと協力して進めるデジタル化も目玉となります。発熱外来やインフルエンザ・コロナワクチンの予約をスマホでできるシステムがその筆頭です。それ以外にもオンライン診療の利用促進、健康保険証のマイナンバーカード化への対応とそれを利用した新たな形での医療提供の姿も示していきたいと考えています。
 
【医療費(診療報酬)改定】
 皆様が医療機関を利用するときの医療費は2年に一度全国一律で国が決定する、ということを皆様はご存知でしょうか? 今年はその改定が行われ、6月の診察から適用されるようになります。
 今回は皆様にとって一番身近な外来診療の医療費が大きく変わる予定です。更別村診療所は十勝で唯一の「機能強化型在宅療養支援診療所」という質の高い地域医療を提供する特別な医療機関として国から指定されていることから、医療費の面でも高く評価されました。
「高く評価された」というと聞こえがよいのですが、お会計でお支払い頂く医療費が6月から「値上がりする」という意味でもあります。今年の医療費の改定は全国に広がる物価の上昇と賃上げへの対応という側面もあり、自分たちでものの値段を自由に決められない医療機関にとっては重要なものです。
 住民の皆様にとってはプラスに感じる点もマイナスに感じる点もあるかも知れませんが、2024年度もどうかご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

2024年3月23日土曜日

医業も父親業も日々鍛錬。 第39回 「両親へ」 〜 どんぐり通信 2024年3月号より〜

 久しぶりにどんぐり保育園のかわら版「どんぐり通信」への連載を紹介します。

3月号は毎回旅だつ子どもたちやその保護者の皆様に宛てて記事を書かせてもらっているのですが、反響が大きかったようですので、皆様にもお読み頂けると幸いです。

 2023年は私にとって特別な年でした。両親の金婚、私たち夫婦の銀婚。ダブルのお祝いということで家族旅行を企画したのですが、その時に両親に伝えたメッセージを旅立ちの春にご紹介したいと思います。かなり恥ずかしいのですが。

父さん、母さんへ

結婚50周年おめでとう。高校を卒業してからというもの、学校だ、仕事だと言って兄弟2人そろって北見の家に帰ることがほとんどかなわなわなくてさみしい思いをさせてきたと思うけれど、大きな節目の今年このような祝いの場をつくることができて少しだけ償いができたような気持ちになっています。こんなときだから何か素敵な贈りものを、と最初は考えていた。何を贈ってもきっと喜んでくれるのだろうけれど、ものよりも直接気持ちを伝えられる方がよいと思って家族を代表して長男の僕が手紙を読むことにしました。正直言ってとても恥ずかしい。でも2人が元気なうちに伝えておきたい。「あのとき伝えておけばよかった」と後悔するのはイヤなので勇気を出して読みます。僕は理系で理屈っぽい人間なのでくどいけれどまあ聴いて下さい。

僕も知也(弟)も本当に幸せな人生を送っています。僕にも知也にもおそらく最期まで添い遂げるであろう妻がいる。2人のかわいい子どもを授かることもできた。仕事も充実して頑張っている。何よりも心身ともに健康だ。

医師として何百何千という人と家族の人生に関わらせてもらってきたけれども、この幸せは決して当たり前のことではないのだということを身に染みて知らされる25年間だった。

そして、この当たり前ではない幸せを僕ら兄弟が得られているのは父さんと母さんが僕と知也を本当に大切に、愛情を注いで育ててくれたから、幸せを自分の力でつかみ取る力を身につけさせてくれたからなのだ、と今心の底から思っている。

北見に帰ったときに何度か話したことがあるけれど、僕の中学時代は人生の中でも最悪に辛いものだった。何の取り柄もなく自分自身に自信ももてない、将来の夢すら持つこともできない。そんな中僕は毎年中学校を転校するという不運に見舞われた。中学3年生になるときの転校では最初の1ヵ月クラスの誰にも声をかけられず1日中机に座って1人で過ごす毎日。そうこうしているうちに病気を患い1ヵ月半も入院。退院したら大好きだったじいちゃんが白血病で亡くなった。

客観的にみたらボロボロになって何が起きてもおかしくない厳しい状況なのだけれども、なぜか僕は乗り越えることができた。どうして乗り越えられたのだろうって、この20年ずっと考えてきた。で、最近一定の結論を見たんだ。それはこうです。僕には苦境を「乗り越える力が身に付いていた」。

その力をそれまでの子育てで与えてくれていたのが父さんと母さんなんだって。

詳く解説すると1時間もの大演説になってしまうのでやめておくけれど、大きな苦境や挑戦を踏ん張って乗り越える力は赤ん坊の時からしっかりと愛情を注がれて育っていないと身につかない。あのとき父さんと母さんは僕が苦境に立っていることを知っていた。それでも僕を、それまでの父さんと母さんのしてきた子育てを、信じて見守ってくれていたんだって今は思っている。2人の子どもの親をやっていて思うけれど、信じて待つ、見守るということがいかに難しいことか。今、「尊敬する人はだれ」と人に聴かれたら、いい加減な気持ちではなく、はっきりと「両親です!」とこたえます。

父さんと母さんの子で本当によかった。僕も知也もそう思って生きています。 

ありがとう。これからも僕たちのことを暖かく見守り続けて下さい。

令和5年10月

この春旅立ちを迎える皆さんにもきっとあのときの私と同じく踏ん張れる力が備わっているはず。皆さんが自分なりの幸せをつかみ取れることを祈っています。

2024年3月

更別村国保診療所 山田康介


かわら版11月号より

  マイコプラズマ肺炎にご用心 最近ニュースで話題に上がることが多いマイコプラズマ肺炎、村民の皆様も一度は聞いたことがあるかと思います。 Mycoplasma pneumoniae ( 以下マイコプラズマ)という細菌によって引き起こされ、疫学的には 5 ~ 25 歳の健常人に...