2014年3月24日月曜日

退職についてのご挨拶(ナカムラより)〜診療所かわら版 2013年3月号より〜

厳しい冬の寒さも弱まり、少しずつですが春らしい気候になってまいりました。2年前の春より更別にやってきて診療所副所長を担って参りましたが、この度3月末日をもって同診療所を退職して次なる地に旅立つこととなりました。
思い返すと、私中村はこれまでずっと、「性別・年齢などに区分されないあらゆる疾患や状態の方々」を等しく診療できるよう様々なトレーニングをしてまいりましたが、この更別に来てから、真にその成果や本領を発揮することができていたように感じております。この診療所の特徴はほぼすべての領域の診療科の問題を抱えた方が来所され、毎日様々な問題に対応することになります。それらに対応することは時には難しいものもありましたが、かねてより医師を志したそのときのイメージに近い診療することができ、とても充実した気持ちで仕事をさせていただきました。
また、更別の皆様はとても人間性も穏やかで優しい方が多いことを赴任後より今までずっと変わらず感じておりました。その中には、感情を揺さぶられるような本当にすばらしい出会いも数多くあり、そのひとつひとつの交流を通じて、医師として人として私も成長することができたように思います。
さらに更別での日々は医師としてだけでなく、住民としてもとても楽しいものでした。特に私は一児の父としてこの村に住まいましたが、息子や様々な地域活動を通じての交流も数多く、短い期間でしたが確かに「村の一員」として迎え入れられての実感を得られる・・・そんな貴重な経験を得ることができました。先日2歳になった息子もこの村でとてもまっすぐ健やかに育っており、乳幼児期という今後の成長にとって大事な時期をすばらしい環境で過ごさせることができたことを本当にうれしく思っております。
4月よりは滋賀県の診療所に勤務することになります。そこはこの更別の診療所同様、まだ日本では数少ない「複数の家庭医や研修医・医学生が集う教育診療所」になります。私はそこの指導医、しかも「教育担当責任者」という責任職として、更別で学んだことを胸に腕を振るう予定になっています。
 この村、この診療所で過ごした日々、様々な出会いの一つ一つが私にとっての最高の宝物です!皆様、本当にありがとうございました! 
20143月某日 休日の医局より思いを込めて・・・~

副所長 中村琢弥

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