2017年11月5日日曜日

風邪薬の眠気は,ただの眠気ではない? 〜船木先生の薬の話 かわら版2017年10月号より〜

「風邪をひいたかな?」と感じた時、症状が悪化しないように早めに風邪薬を服用される方も多いのではないでしょうか。今月は、風邪薬を飲んだ時の副作用について、フナキ調剤薬局 船木達 薬剤師にお話を伺いました。    

風邪のつらい症状を抑えてくれる風邪薬ですが、風邪薬を飲むと眠くなることがあります。これは風邪薬の中に含まれている抗ヒスタミン薬と呼ばれる薬の副作用です。アレルギー反応を抑える作用があり、鼻水やくしゃみ、花粉症や鼻炎など、広く一般的に使用されているので一度は経験したことがあるかもしれません。この抗ヒスタミン薬の眠気はただの眠気ではないということはご存知ですか?    


抗ヒスタミン薬の副作用は「鈍脳」と表現され、言葉のとおり脳の働きが鈍くなります。脳の活動が低下し、集中力や判断力・作業効率が低下し、眠気もでてくるというわけです。眠気が出ないから大丈夫・・・と思っていても脳の活動は低下しています。ブラックコーヒーを飲んで目が冴えても脳の活動低下は改善されません。お酒を飲んだ時、眠くはないけど真っ直ぐに歩けない・正常な判断ができないなどと同じような状態です。
抗ヒスタミン薬による脳の活動低下は、日本では認知度が低くあまり問題にされませんが、お酒(ビールで1リットル程度)を飲んだ時と同程度と言われており、アメリカでは抗ヒスタミン薬を服用すると車の運転を禁止している州もあります。

現在、病院や診療所で処方されている抗ヒスタミン薬の多くは、副作用の少ないタイプの薬で心配することはありません。しかしドラッグストアや薬店で販売されているものは副作用の多いタイプなので注意が必要です。気になる方は購入時に相談してみましょう。

0 件のコメント:

コメントを投稿

かわら版 1月号より

カレンダーをみて気づいたのですが、令和の時代ももう7年目になるのですね。時の経つことの早さと同時に世の中の変化の大きさにも驚かされる毎日です。  令和元年末に始まったコロナ禍。令和4年ロシアのウクライナ侵攻、5年イスラエルのガザ地区侵攻と相次いで始まった戦争。自国第一主義と言われ...