2018年9月26日水曜日

医業も父親業も日々鍛錬.第28回 つづけること 〜 どんぐり通信2018年9月号 〜

 どんぐり通信は今回が第100号とのこと,おめでとうございます! お聞きするとここまで14年.これほどの期間休むことなく発行しつづけて地域のお母さん,お父さんを支え続けてこられたことに1人の父親として感謝の気持ちでいっぱいです.
 14年」 そういえば息子は14歳.山田家の子育てはどんぐり通信の歩みとともにあったのだなあ,と今気づかされました.
  さて,今回は「つづける」ということについて私の子どもの時の思い出からお話したいと思います.小さいころ私は不器用で要領が悪く,何か新しいことを覚えたり身につけるために時間のかかる子でした.なわとび,自転車などなど…母は内心「この子は不器用だなあ」あきれていたに違いありませんが(笑),いつも練習につきあってくれ「できるようになるまで,こつこつとよく頑張ったね」と言ってくれたことをよく覚えています. スポーツや芸術,そして学業など分かりやすい長所のなかった私にとって,母のこの言葉はとてもうれしい褒め言葉でした.今でも「これと決めたらあきらめずに,あきることなくこつこつ努力し続ける」ことは私にとって大事なアイデンティティになっています.
 振り返って,親としての自分.母のように子どもたちの見えにくい長所,きちんと見つけてあげられているだろうか? ありのままの子どもたちを心から受け入れられているだろうか? 夜,家族がみんな寝静まって1人になったときに自分に問うときがあります. 昨今,天災や事故,そして戦争などで命を奪われる子どもたちのニュースが流れない日はありません.本当は今ここにいてくれるだけで幸せなことなのに,気がつくと自分の色眼鏡を通して子どもを評価してしまっている自分がいます.言うは易し.本当に難しいことだなあと思っています. 皆様はいかがでしょうか?
 子育ても休みなく毎日何年も,何年もつづきます.つらいときも面倒くさい時もありますが,希望を失わずに粘り強くこつこつと行きたいものですね. 更別は子育ての長い道のりを支えてくれる人達がたくさんいます. 時には頼り支えられながらでも親として「100点満点」…ではなくて「第100号」を目指しましょう!

 所長 山田康介

2018年9月23日日曜日

風疹について


 皆さま、夏も終わりこれからどんどん寒くなっていきますが体調は如何でしょうか?

 今回は現在ニュースにとりあげられている「風しん」についてお話したいと思います。今年はすでに184人が風しんに罹患しています(2018年8月28日時点で)。

 症状としては顔から身体中に拡がる発疹、発熱、耳や首のリンパ節が腫れるなどがあります。症状は比較的軽く予後は良好だと言われています。

 一方で脳炎や血小板減少性紫斑病などの重たい合併症があること、成人は熱の期間が長いこと、関節炎を起こすことなど注意が必要な病気でもあります。

 そして、この病気で最も重要なのは先天性風しん症候群です。先天性風しん症候群とは妊娠中に風しん感染した時に胎児に起こる病気です。症状は眼疾患(白内障、緑内障、網膜症)、心疾患(心室中隔欠損症等)、難聴、精神発達遅滞等があります。

 これらは妊娠1か月以内に感染したら50%、2か月以内なら35%、3か月以内なら18%に起こります。しかしワクチンを1回打つと95%、2回打つと99%が予防出来ると言われており、妊娠を考えている女性で風疹の抗体がない方はワクチンを打つことを強く勧めます。また、男性も抗体がなければ打つこと勧めます。理由は重症化しやすいこと、妊娠中の女性にうつす可能性があることです。ちなみに30代後半~50代の5人に1人、20~30代前半では10人に1人の男性は抗体がないと言われ問題となっています。

 注意: 妊娠希望の女性はワクチン接種1か月前から避妊をして、ワクチン接種後も2か月は避妊して下さい。ただし今まで妊娠に気がつかずワクチンを打ってしまった方で、胎児が先天性風しん症候群になったことはありません。ご心配があれば診療所にご相談下さい。                            

文責  安達 記広

医業も父親業も日々鍛錬。 第39回 「両親へ」 〜 どんぐり通信 2024年3月号より〜

  久しぶりにどんぐり保育園のかわら版「どんぐり通信」への連載を紹介します。 3月号は毎回旅だつ子どもたちやその保護者の皆様に宛てて記事を書かせてもらっているのですが、反響が大きかったようですので、皆様にもお読み頂けると幸いです。  2023...