2013年11月16日土曜日

医業も父親業も日々鍛錬. 第16回 のど元過ぎて忘れてしまわないように・・・風疹の話 〜どんぐり通信2013年11月号より

 昨年から今年にかけて国内で風疹が大流行したことを覚えていらっしゃいますか?
 幸い,更別までその流行が波及することはなく今日に至りますが,流行がいつやってくるかは予想することができません.
 どんぐり通信をお読みになるご夫婦にぜひ風疹ワクチン(できれば麻疹-風疹混合ワクチン)をお受け頂きたい!ので,ご紹介します.

おそろしい先天性風疹症候群
 今年なぜこんなに風疹の流行がニュースになったのでしょうか? それは先天性風疹症候群が尋常ではない数で発症したからです.201311日から1031日までの報告数で18例.通常の年は1~2例.妊婦とくに、妊娠初期の女性が風疹にかかると、胎児が風疹ウイルスに感染し、難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達の遅れ等の障がいをもった赤ちゃんがうまれる可能性が高くなります.これらの障がいを先天性風疹症候群といいます.
 特に妊娠初めの12週までにその可能性が高いことが認められており、調査によって25−90%と幅があります.予防接種をうけることによって、成人女性なら妊娠中に風疹にかかることを予防し、または妊婦以外の方が妊婦などに風疹をうつすことを予防できます.
 しかし!妊娠中は風疹の予防接種をうけることはできません.
 男性が予防接種をうけず自然感染したときには、妊娠中の配偶者(妻)あるいはパートナーなどにうつすことで、生まれてくる赤ちゃんが先天性風疹症候群と診断される可能性が生じます。将来自分達のこどもを先天性風疹症候群から守るためにも、男性も可能な限り早く風疹の予防接種をうけてほしいと思います.

予防接種について
 今回予防接種をお勧めしたいのは2008年度2012年度までの5年間に中学1年生、高校3年生相当年齢に2回目の麻疹風疹混合ワクチンを接種していない20~40代の成人の男女全員です. 「小さいときにかかった」という方も血液検査で本当にかかったことが確認されていないのならば予防接種をお受け頂く方がよいでしょう.
 また,どんぐり通信をお読みになるご夫婦の多くは風疹と同様重大な疾患である「麻疹」に対する免疫も不十分であることが多いため,「麻疹風疹混合ワクチン(MRワクチン)」をお受け頂くことをお勧めします.
 風疹ワクチン,麻疹風疹混合ワクチンの予防接種は更別村診療所でお受け頂くことができます.毎週木曜日の午後に実施しており,事前に申し込みが必要です.料金については診療所のHP診療のご案内」ページをご覧下さい.

また,私たち家庭医が所属する日本プライマリ・ケア連合学会では
「風疹封じ込めを!」のページを設け,一般のみなさん向けのパンフレットを更改しています.ぜひご覧下さい.

2013年11月11日月曜日

定期受診される方の「診察開始時間予約」を始めます。 〜診療所かわら版2013年11月号より〜

6月に行った待ち時間に関するアンケート調査にご協力いただき、ありがとうございました。その結果から「午前中 予約日に定期診察に来た方にとって診察までの待ち時間が長いと感じる傾向がある」などの結果が出ました。

そこで、「午前中 予約日に受診していただく方」の待ち時間を短くするための方法のひとつとして「診察開始時間の予約(通称:時間枠)」をご希望の方に対して設けることにしました。

時間枠の対象は、午前中の定期診察(または発熱・ケガ後の予約受診)で診察当日検査予定がなく、診察医師を指定されない方です。

時間枠を予約していただいた方は、指定された時間の15分前に受付をすまし、看護師による予診を受け、指定された時間から15分以内に診察を開始する予定です。これにより、午前中どの時間帯でも待ち時間を1530分程度にすることができる見込みです。

時間枠の予約は、1111日(月)より開始します。詳しくは、診療所スタッフにお聞きください。
新しい試みのため多少時間がずれる可能性があることをご了承下さい。

その他にもアンケート調査結果をもとに、全ての利用者を対象とした待ち時間を短くするための改善策を実行中です。   
来年2月頃に再度アンケート調査をさせていただき、待ち時間のさらなる改善に努める予定です。ご理解ご協力をお願いいたします。

待ち時間対策プロジェクト 医師 

棟方智子

2013年11月3日日曜日

肺炎球菌ワクチンが(少しだけ)変わります.

パッケージも変わります.
  今年から乳幼児の定期接種に導入された肺炎球菌ワクチンですが,11月1日から製剤が「プレベナー(沈降7価肺炎球菌結合型ワクチン)」から「プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)」に切り替わります.
 現在使用されている「プレベナー」には7種類の肺炎球菌の成分が含まれています。一方、今回承認された「プレベナー13」には、新たに6種類が追加され、計13種類の肺炎球菌の成分が含まれています。これにより、従来よりも多くの種類に対して予防効果が期待出来ると考えられています。

 途中まで「プレベナー」を接種してきたお子さんも残りの回数は「プレベナー13」で接種頂くことになります.
 予防接種のスケジュールはいままでとほぼ同様ですが,ほんの少し変更があります(下線部,厚労省HPより).

  1. (1)初回接種開始時に生後2月から生後7月に至るまでの間にあるお子さん
     初回接種については27日以上の間隔をおいて3回、追加接種については生後12月以降に、生後12月から生後15月に至るまでの間を標準的な接種期間として、初回接種終了後60日以上の間隔をおいて1回接種します。ただし、初回2回目及び3回目の接種は、生後12月に至るまでに接種し、それを超えた場合は行えません(追加接種は実施可能)。
  2. (2)初回接種開始時に生後7月に至った日の翌日から生後12月に至るまでの間にあるお子さん
     初回接種については、27日以上の間隔をおいて2回、追加接種については生後12月以降に、初回接種終了後60日以上の間隔をおいて1回接種します。ただし、初回2回目の接種は、生後13月に至るまでに接種し、それを超えた場合は行えません(追加接種は実施可能)。
  3. (3)初回接種開始時に生後12月に至った日の翌日から生後24月に至るまでの間にあるお子さん
     60日以上の間隔をおいて2回接種します。
  4. (4)初回接種時に生後24月に至った日の翌日から生後60月に至るまでの間にあるお子さん
     1回接種します。




医業も父親業も日々鍛錬。 第39回 「両親へ」 〜 どんぐり通信 2024年3月号より〜

  久しぶりにどんぐり保育園のかわら版「どんぐり通信」への連載を紹介します。 3月号は毎回旅だつ子どもたちやその保護者の皆様に宛てて記事を書かせてもらっているのですが、反響が大きかったようですので、皆様にもお読み頂けると幸いです。  2023...