2018年10月13日土曜日

北海道胆振東部地震の経験 〜診療所かわら版2018年10月号より〜

 9月6日深夜3時、ついに北海道にも大きな地震災害が発生してしまいました。十勝の私たちの生活はほぼ正常化している一方、被災地の復興はまだまだ先が見通せない状況と報道で伝えられております。1日も早い復興をお祈りするばかりです。
 さて、暖かい時期に、かつ比較的早期に生活が正常化できた今回の地震は私たちに多くの教訓を与えてくれたのではないでしょうか? 冬に,より長期に大きな災害に見舞われた時を想定し備えが必要なことに気づかされた方も多かったと思います。
 停電: オール電化の住宅では寒い季節に暖をいかにとるのか? 明かりや調理器具をどのように確保するのか? 情報を手に入れるためのスマホの充電やラジオなどの対策はできているか?
 断水飲み水、トイレの水など最低限必要な水は確保できるか?
 物流: 3日程度、調理が不要で保存の利く飲食物は準備できているか?
 自宅での生活継続が困難なときの避難先は? 家族の安否確認の方法は? 
 などなど…ご家庭で話合い準備を整えるよい機会ではないでしょうか。
 さて、医療機関である診療所も今回の地震では大いに学ぶことがありました。停電時、診療所は非常用電源が作動するようになっています。ただし、必要最低限の電力しか得られないため、レントゲンなどの医療機器が使えなくなったり電子カルテが一部の端末のみしか使用できなくなるなど、医療機関としての機能が制限されます。その中で地域住民の皆様の健康と安全をどうお守りするのかを考えなくてはなりません。
 今回の地震においても防災無線でお知らせしましたが、不要不急の受診をお控え頂いたり、物流が回復するまでの間、お薬は数日の短期間の処方にとどめさせて頂くなどのご協力を住民の皆様にお願いする場合もあります。
 大きな災害は私たちの地域でも起きる可能性があります。
 今一度災害への備え、考えてみませんか?                  

所長 山田 康介

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